クールな先輩を恋の矢で射止めます
弓道場の前に着くと、山崎先輩はガサゴソとポケットを漁り始めた。
「あーあったあった。すぐ開けるからね」
彼はそう言いながら鍵穴にキーを差し込んだ。
そして『どうぞ』と言って中に入れてくれて、山崎先輩は弓道場の中にある窓を開け始めた。
中は閉めきられてもわっとした空気で、窓から風が入ると新鮮な空気が流れてきた。
「ごめん、お弁当食べてたよね。放課後だとゆっくり話せないから呼んじゃったんだけど…」
「……大丈夫です。この話をしないとお弁当食べれないので」
『そうだよね』と言いながら山崎先輩は苦笑いをした。