クールな先輩を恋の矢で射止めます
「雪名が入ってったところ行ってみて?」
「はい」
あたしは何があるんだろう?と内心思いながら言われたとおり、入り口横の部屋に足を向けた。
そこには部員の用具がそれぞれ整理されて並んでいたんだけど…
別で一つにまとめられたものがあった。
ゴム弓、弓矢、弓、矢を入れる筒、棒矢……。
「……古いからすぐ壊れるかもしれないけど何かの足しにはなるはずだ。
あんたにやる。
これであんたのためにやるのは最初で最後だからな」
「え……これ、あたしがもらっていいんですか?」
目の前にあるこの弓道の用具をもらえるなんて……。