クールな先輩を恋の矢で射止めます
「花ちゃんの教育係は当分、雪名にやってもらう。
1年全体は俺がまとめるつもりだが、個人練習の時はいつもどおり一人ひとりついてみっちり指導すること。
2、3年はそのうえで大会に向けたメニューをこなすこと。
じゃあ、各自準備体操から」
手首や肩を中心にやるように!と指示を出す山崎先輩。
部員たちもそれぞれ広がって準備を始めた。
「さあ、花ちゃんも早速準備体操始めよっか!」
「はいっ!」
スペースがあるところに連れ出してくれようとした山崎先輩を雪名先輩が呼び止めた。
「山崎、俺は「花ちゃんの教育係はやらないで、試合に集中したいって?」」
雪名先輩が言い終わる前に先に言い出した山崎先輩。
あたしはその言葉に少しだけ体が固くなった。