くるりんぱ=問題児!?
知恵はボールを受け取ると、絇瑠が現れ1対1になる。
「委員長には悪いっすけど、本気で行かせてもらいますよ!」
したたる汗を軽く拭い、ニヤリと笑いながら知恵と向き合う。
汗もしたたるいい男というのはこういうことを言うのか…!ふむふむ…!
「知恵〜、亜衣の一本集中聞こえなかった?」
ビクッ!
やばし、巫美ちゃんの語尾に伸ばし棒がつかなかった…。
おこ…かな?怒だよね…?
やだなー、巫美がおこ、とかやだなー。
うん、真面目にやる。
ってか、点差ヤバイしね…!
ギラリと目を光らせ始めるわたし。
その変化にスッと真面目な顔に戻り、わたしと面と向き合う絇瑠。
わたしもドリブルしながら、バッシュの裏を手で拭き、対峙する。
絇瑠が全神経をわたしに集中させてるのがわかる。
圧倒的な威圧感。
…重い……。
まるで、あの時のような重さの威圧感。
あの時、わたしは威圧感に負けてしまった。
そして、後悔したんだ。
でも、今は違う。
負けない。