くるりんぱ=問題児!?


みんながワラワラと体育館から帰り始める中、知恵はただ、ひたすらに自分の手を見つめていた。


「なんで、あの言葉が…!


これじゃあ、バスケは楽しめない…!



いつまで、あの人に縛られなきゃいけないの!?」


や…めて…!


解放してよ…!


いつまで…付きまとってくるの!?


…ち、違うっ!
あの人はここには…いないっ!


怯える必要なんかない…!
いないんだからっ!!


目を見開き、胸に手を当て大きく呼吸している知恵に2人が心配そうに駆け寄ってくる。


「知恵、大丈夫?何してるの?」

「知恵〜、整列だよ〜」


「あ、うん…」




「20対21で2年女子の勝ちです。

よって、2年女子優勝です!」


「やったぁ〜、嶺央の仇取ったり〜」


タオルで軽く汗を拭き取りながら、嶺央の元に集まるわたしたち。


「ったく、俺よりかっこよく決めちゃうってどういうことだよ…」


「嶺央が油断しすぎて、カッコつけたかっただけでしょうが」


「うぉ、グサッ!
亜衣…もっとオブラートに言ってよ…」

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