社内恋愛発令中【完】
ふっと笑みを浮かべて



「こっちの方が可愛いわ」



あたしを見た。



「や、やだ…!」



グンっと顔に熱が集中していくのが分かる。



きっと今、耳まで真っ赤だ。



「か、返して下さい…っ」



眼鏡を取ろうと伸ばした手を、蒼井さんはヒョイと避ける。



バランスを崩して蒼井さんにもたれかかる格好に。



「あれ、積極的じゃん」



「ぶ、部長…」



少しだけ遠ざけられた眼鏡がぼやけて見えない。
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