社内恋愛発令中【完】
あたしが答えると、社長は机を叩きながら声を張り上げた。



「企業と契約するための資料だよ!君の誤字脱字のせいで契約は失敗だったけどな!!」



その言葉に耳を疑った。



(誤字脱字…?)



「桜瀬くんが打った後半にはミスが見当たらなかったのに対し、君が打った前半はミスだらけだったんだよ」



頭を鈍器で殴られたような気分。



震えが止まらない。



「もう君は学生じゃないんだよ。社会人としての責任があるだろう?誤字脱字なんて初歩的なミスをどうしてするんだ!!」



机をバンッと叩いて凄む社長に、あたしは声を詰まらせる。



「企業との契約が失敗ってどういう意味だか君に分かるかい?どう責任取るつもり?」



社長はあたしを見て笑った。



唾も飲み込めないほど恐ろしい笑みだ。
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