社内恋愛発令中【完】
そんなあたしの体を、疲れてるはずの蒼井さんが支えてくれる。



そのまま蒼井さんが仕事をする部屋まで来ると、あたしを座らせてコーヒーを入れてくれた。



「…蒼井さん」



「ん?」



何も言ってくれないのが辛かった。



ただ優しくしてくれるのが苦しかった。



どうして叱ってくれないのか分からない。



だけどこんなことされたら、あたしはこの涙を我慢できなくなってしまう。



蒼井さんに迷惑をかけたのに、蒼井さんの顔に泥を塗ってしまったのに、どうして蒼井さんはあたしを責めないのか。



「本当に…申し訳…っありませんでした…」



ポロ、と涙が零れ、次々に流れてくる涙が止まらない。



泣いちゃいけないと分かっていても、我慢できない涙が零れてしまう。
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