社内恋愛発令中【完】
今更無理だとは言えそうにない。



大きな溜め息をついて、自分の仕事を終わらせようとパソコンを起動した。



_____



「双葉」



パソコンと向き合っていると、不意に蒼井さんがあたしを呼んだ。



振り向くと、蒼井さんは時計を指差して言う。



「今日はもう帰っていいよ」



時計の針は20時を指していた。



「でも部長は…」



「俺まだ仕事あるから」



蒼井さんの仕事が残ってるのに帰るのは忍びない。



何も言えず黙っているあたしに、蒼井さんは優しく言った。
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