社内恋愛発令中【完】
「そうなんだ」



あたしが元気良く答えるのに対し、蓮也さんはどこか納得できないような表情。



首をかしげるあたしに、蓮也さんは言う。



「なんでまた部長の秘書に?」



「あたし大きなミスしちゃって…、そしたら部長が、もう同じ失敗繰り返させないから秘書になれって」



あの日のことを思い出すと、社長の姿を思い出して鳥肌が立ってしまう。



あんな場所、二度と立ちたくない。



「部長もなかなかやるなあ…」



と、蓮也さんが小さく呟いた。



「…え?」



聞き返すが、蓮也さんは首を横に振って誤魔化す。



「秘書って大変でしょ」
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