社内恋愛発令中【完】
蒼井さんが呟き、あたしは何の気なしに言葉を発した。



「あたしが確かめますか?」



蒼井さんがあたしを見つめて、口を結ぶ。



数秒の沈黙。



自分の言っていることが理由だと気づいたのは、蒼井さんが吹き出した瞬間だった。



「あ、あれ…あたしもしかして、変なこと言いました?」



「うんすごく…っ」



肩を揺らして笑う蒼井さんは、息を切らすほどツボだったらしい。



「あの、へ、変な意味じゃなくて…!」



「変な意味って?」



ここぞとばかりに言葉を拾う蒼井さんは、もはや悪魔に見える。



「…揚げ足とらないでください」
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