社内恋愛発令中【完】
その余裕な態度に腹が立つ。



もうっと蒼井さんの肩を叩いた。



「さて、酒も抜けたみたいだから、家まで案内して」



タバコを灰皿に押し付けると、エンジンをかけた。



さっきまでのことを夢だと思わせるような態度。



「帰るんですか?」



何故か出てしまった言葉。



「帰りたくないの?」



蒼井さんが不思議そうにあたしを見る。



「あ、いえ!案内します」



このとき既に、あたしの胸に一つの感情があったことを、このときのあたしが知るはずもなかった___
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