社内恋愛発令中【完】
そんなあたしたちを見た蒼井さんが溜め息をつく。



「なあ蓮也。係長の秘書についても、双葉は暇を持て余すだけだよ」



「部長は俺の忙しさを知らないんですよ」



お互いに睨み合う2人。



あたしは蓮也さんに、1つの提案を持ちかける。



「じゃあ、あたし秘書になってくれる方探してきます!」



蓮也さんのために!と笑うあたしを見て、蓮也さんがポカンと口を開けた。



蒼井さんがその後ろで喉を鳴らしながら笑っている。



「あ、いや、詩苑ちゃん…」



「?」



「俺はね、詩苑ちゃんだから秘書になってほしいんだよ」



言っている意味が分からず、首をかしげるあたしに蓮也さんは微笑んで言う。
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