社内恋愛発令中【完】
「詩苑ちゃんに、側にいてほしいんだよ」



グンっと顔に熱が集中。



泳ぐ目を蓮也さんに合わせられない。



「な、何言って…」



「ねえ詩苑ちゃ「人の秘書を勧誘しないで下さいね、係長」



蓮也さんが何か言いかけると、蒼井さんがその肩を掴み扉へと押していく。



「あ、ちょ、詩苑ちゃ____」



パタン。



扉の鍵を閉めて、汚い物を触ったかのように手を払う蒼井さん。



時計を見ると、ちょうどお昼の時間だった。



「あの、あたしお昼…」



蒼井さんを見ると、蒼井さんが扉を見ながら笑う。
< 185 / 355 >

この作品をシェア

pagetop