社内恋愛発令中【完】

「双葉以上の人材がそこら辺にいるのに、双葉を誘ってるんだよ」



意味分かるだろ？とあたしを見る蒼井さんに、カチンとくる頭。



「あたし以上って…じゃあ蒼井さんが別の人を秘書にしたらいいんじゃないですか。あたし、蓮也さんの秘書になりますから」



フイッと顔を背けて毒を吐く。



言ってやったという気持ちでいっぱいになって口角が上がった。



「蓮也の秘書になりたいなら止めないけど？」



背後でそんな冷たい言葉が聞こえた。



驚いて振り返ると、蒼井さんは不敵な笑みを浮かべている。



「焦った？」



「…っ」



また騙されてしまった。



言ってやったと思うときは、倍になって言い返される。