社内恋愛発令中【完】
「ふう」



仕事も終わった21時。



あたしは電車に揺られていた。



この時間帯の電車は人が少なく、立っている人がいないほどだ。



仕事の疲れが溜まり、うとうとしていると、どこからか視線を感じた。



ハッと顔を上げて周りを見てみるが、あたしと目が合う人はいない。



少し敏感になっているのかも、と気を取り直す。



ただ下を向くと感じる、誰かの視線。



(気のせい…?)



どこからか見られているような、そんな気がする。



写真のことを思い出して身震い。



不安に思い過ぎてるだけだ、と考えないことにした。
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