社内恋愛発令中【完】
ハッと受話器を取る。



「はいもしもし」



あたしの言葉に、相手の応答はない。



「もしもし?」



もう一度声をかけると、受話器の向こうで人の気配がした。



「あの、もしも「許さない」



「…!?」



機械のような声がして、思わず受話器を投げる。



尻もちをついてしまったあたしの元へ、蒼井さんが駆け寄ってきた。



「どうした?」



「あ、あの、あたし…」



体が震えてしまって言葉が出ない。
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