社内恋愛発令中【完】
首をかしげたあたしに手を伸ばす蒼井さん。



「さっきから胸元、見えてますよ」



胸元のボタンを閉めてくれた。



「あ、」



「家に帰るまでは、男を誘わないように」



あたしを見下ろし笑う。



よく見れば整った端正な顔立ち。



キメ細かな肌、切れ長の目を隠すようにかけられた黒縁メガネ、筋の通った鼻。



ドキドキと思わず胸が高鳴ってしまった。



「電車、一緒でしたよね。送ります」



「あ、え、で、電車…?」



「また今朝のようなことになったら大変でしょう?」
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