社内恋愛発令中【完】
遥さんの仕業だったと、まだ蒼井さんには言っていない。



どうするつもりなのだろう。



「七海 遥だろ」



「…な、なんで知って…」



驚いて振り返ると、まだ上を着ていなかった蒼井さんが目に飛び込んだ。



バッと目を逸らす。



「昨日告白されたんだよ。断ったときの怒りが、双葉に向いてたことくらい分かる」



「…そう、ですか…」



蒼井さんはネクタイを締めると、小さく溜め息を漏らし



「ごめんな」



その目を伏せた。



「え、な、何で謝って…」
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