社内恋愛発令中【完】
蒼井さんの声に、頭が痺れるような感覚。



「れ、蓮也さんのことは別に「蓮也蓮也うるせーんだよ」



あたしの顔を片手で掴み、無理矢理蒼井さんと向き合うような体制にさせられる。



その近さに息さえできない。



「昨日の言葉の意味、説明してほしいんだろ?」



「き、昨日…?」



一瞬首をかしげたが、昨日のことを思い出して小さく声を漏らす。



『もう部下として見れないんだよ』



昨日の蒼井さんの声が脳内再生された。



「説明してやるよ」



顔が熱くてどうにかなりそうだ。



蒼井さんの妖艶な笑みが、目の前で浮かぶ。
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