社内恋愛発令中【完】
そして程なく響いたのは、あたしの今まで出したことのないような叫び声だった。



「いるとは思ってなくて…」



「…はい…」



何かの隔たりもなく、あたしの裸は蒼井さんの目に晒されてしまった。



恥ずかしくて蒼井さんを見ることができない。



「怒ってる…?」



いつまでも蒼井さんと目を合わさないあたしに不安になったのか、蒼井さんがらしくない声を出した。



単純なのか、あたしはそんな蒼井さんが可愛くて、つい笑みを零してしまう。



「なに笑ってんだよ」



上司だと忘れてしまうような蒼井さんの表情。



そんなギャップさえも、今は胸を高鳴らせる。



「さ、さっきのことは忘れて下さいね」
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