社内恋愛発令中【完】
蒼井さんは、あたしのことをどう見ているのか。



どう思っているのか。



どうして繋いだ手のままでいてくれたのか。



どうして2人きりで出かけてくれるのか。



「はい。こっち双葉の」



「あ、ありがとうございます…」



胸の内には期待しか生まれない。



もしかしたら、同じ気持ちなのではないかと。



こんなことされて、期待しない女の子なんていない。



思い込まない女の子なんていない。



「双葉は忙しいやつだな」



と、蒼井さんがあたしを見て笑った。
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