社内恋愛発令中【完】
蓮也さんに優しく見つめられると、ノーとは言えず。



「は、はい」



頷いてしまうあたし。



「おい双葉…」



蒼井さんが心底呆れている。



自分でも自分が情けない。



「決まりですね部長」



「恥ずかしくないの?そんなことして」



蒼井さんが蓮也さんを冷たく見据えると、蓮也さんは鼻で笑った。



「恥ずかしくても手に入れたい人がいるだけですって」



はあ、と溜め息をついた蒼井さんは、あたしに一言謝るとゲームを始めた。



あたしは何が何だか分からないまま、行くあてもない歩を進める。
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