社内恋愛発令中【完】
心の底から思った言葉だった。



言おうとしていたわけじゃない。



自然と出た言葉だった。




あいつは俺を大人だなんて言うけど、俺なんかあいつより子供だと思う。



本当はあいつがいなきゃ、何もできないのに強がってるだけで。



優しさは決して弱さじゃないと、教えてくれたのはいつだってあいつだった。



責任感が強い?



違う。



守りたかっただけだ、自分を。



『好きです』



これからもきっと、隣にあいつがいるから変わっていけるのだろう。



だから頼む、隣でバカやっていてくれよ。



「なぁ詩苑」



「へっ?」



___fin___
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