社内恋愛発令中【完】
やれるかやれないかではなく、やるかやらないか。



それを1番に考えなきゃ。



「あ、あの…部長」



困った顔をした蒼井さんがあたしを見て、僅かに首をかしげる。



「あたしで良ければ、やります」



「双葉さんが?」



時計は既に17時を回ろうとしていた。



定時に帰れないのはいつものことだ。



あたしは構わず蒼井さんを見つめる。



「でも双葉さん、15枚ありますよ」



「もし全部終わらなくても、明日残りを桜瀬さんに回したら、確実に明後日までには終わります!」



蒼井さんはまだ何かを言おうとして開きかけた口を閉じ、数回頷くと笑った。



「よし、双葉さんに任せましょう」
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