社内恋愛発令中【完】
蒼井さんは本棚に置いてある資料を、片っ端から開いて見ている。



その顔は険しくなっていくばかり。



心配になって蒼井さんの様子を伺っていると



「双葉!」



不意に呼び捨てで呼ばれる名前。



「悪いけどそっち見て。緑のファイルが探してるやつだから」



しかしそれをつっこむ余裕もないほど、蒼井さんの表情は怖い。



「は、はい!」



蒼井さんの隣で資料をあさってみる。



緑のファイルらしきものは見当たらない。



隣に怖い蒼井さんがいることにドギマギしながら、収納されている資料を覗いていく。



早く見つけないと、ぶっ飛ばされそうな勢いだ。
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