社内恋愛発令中【完】
「俺も今から帰ろうと思ってたところなんだけど、双葉さん家はどこらへん?」



「あたし最寄り駅から2駅離れたところに住んでます!」



「あー、電車乗るんだ」



ポリポリと頭をかく清水さんを、首をかしげて見る。



「こんな時間だし送って行かなきゃって思ってたんだけど…俺、電車乗らないんだよね」



ごめんね、と謝る清水さん。



ああ、やっぱりかっこいい…と目を輝かせるあたし。



「送るなんてそんな悪いです!お気になさらないで下さい!」



「春になると変な人って多くなるんだよ。駅までは送るから、そっからは気をつけてね」



帰ろうか、と扉に向かって歩く清水さんのあとを追う。



広い背中が頼もしい。



性格も男らしくて、あたしは心がポカポカするような感覚を覚えた。
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