社内恋愛発令中【完】
「双葉さんって、20歳?」



会社を出てしばらく歩くと、清水さんがあたしの顔を見て首を傾けた。



あたしはコクン、と頷き清水さんの顔を見上げる。



「今年21になります!」



「楽しい時期だなあ」



空を仰いで羨ましい、とぼやく清水さんに、あたしは笑ってしまう。



「係長だってまだまだこれからですよ」



「今年で20歳も折り返しだよ…歳はとりたくねーなあ」



肩を落として溜め息を零す清水さんは、あたしを振り返って笑った。



「詩苑だっけ?」



「へっ?」



いきなり呼ばれた名前に心臓がドクン、と跳ねる。
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