社内恋愛発令中【完】
「名前」



清水さんの顔を見ることができず、目を泳がせながら何度か頷く。



「あ、え、な、名前、そうです詩苑です」



「いい名前って思ったんだよ自己紹介のとき。詩苑って可愛い名前だよね」



屈託のない笑顔があたしに向けられた。



男の人に名前を呼ばれることに慣れてないあたしは、ドキドキと胸が高鳴ってしまう。



「あ、そ、そうですかね…」



「なに照れてんだよ〜」



あたしの肩をポンっと叩く清水さんは、面白そうにあたしを見ていた。



「ちょ、ちょっと係長!からかわないで下さいよ!」



「あ、ストップ」



あたしが清水さんを見上げて声を荒げると、清水さんがあたしの目の前で手のひらを出す。
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