社内恋愛発令中【完】
しかも帰りの心配もしてくれてるときた。



「分からないところない?」



パソコンを指差して問う蓮也さんに、あたしは首を横に振って見せる。



「大丈夫です。ありがとうございます!」



「分かんないことあったらすぐ聞いて。優しく教えてあげるから」



白い歯を見せて悪戯に笑う蓮也さんは、そう言うと自分の場所へと戻って行った。



「双葉さん、係長と仲いいの〜?」



今までパソコンと向き合っていた桜瀬さんが、ニヤニヤしながら聞いてくる。



あたしは持っていたコーヒーを机に置き、アタフタと両手を胸の前で振った。



「な、仲いいって言っても、少し話しをするくらいで…!」



「でも係長って紳士だしかっこいいし、素敵だよね」



「ほんとに…」
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