社内恋愛発令中【完】
席を立つとき、桜瀬さんがまだ戻っていないことに気づく。



部長のところへ行ったときは、大抵すぐには戻ってこない。



いつものことだったために、あまり気にせずお昼を食べに席を外した。



「ねえ遥さん」



「んー?」



いつもの場所に座り、お弁当を広げる遥さんに声をかけると、遥さんは下を向きながら返事をする。



「か、係長のこと、どう思う?」



桜瀬さんのせいで、係長の話しをするとき少しドキマギしてしまう。



別に特別な意味はないのに。



「係長?かっこいい人でしょ?」



「う、うん」



「すごく紳士だと思うなあ、部下想いだし」
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