社内恋愛発令中【完】
結局2人は口元に笑みを浮かべたまま歩き出した。



「え、ちょ…」



あたしより足が長い2人が、ズンズン先へ進んでしまう。



あたしは小走りで2人のあとを追いかけた。



____________



花見の場所に着くと、満開の桜がライトに照らされて、夜桜を演出してくれていた。



その夜桜に圧倒されているのはあたしだけだったようで、2人はさっそく準備を始めている。



「詩苑ちゃんそっちにもブルーシート敷いて〜」



慣れた手つきの2人がさっさとシートを敷く中、あたしはモタモタとシートを広げる。



大人10人は入れるだろうシートの大きさは、言うまでもなく大きい。



畳まれているのを広げるだけで時間がかかってしまう。



「ぎゃあっ」
< 91 / 355 >

この作品をシェア

pagetop