社内恋愛発令中【完】
広げるのに時間をかけていれば、風が吹いてシートが被さってくる始末だ。



「なに遊んでんだよ」



そんなあたしからシートを引っぺがしたのは、苦笑いをする蒼井さんだった。



「だ、だってシートが…」



「はいはい。言い訳はいいからそっち持って」



蒼井さんはあたしの言葉をスルーして指示を出した。



あたしはむすっとしながらも、シートの端を持ち地面に敷く。



2人でやればこんなに早くできるのに…と肩を落とした。



「双葉さん」



不意に仕事をしてるかのように呼ばれて、ハッと振り返れば



「ぶっ」



蒼井さんがあたしに、たくさんの花びらを上から散らしてきた。
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