太陽に愛された向日葵
第1章

黒い彼の噂




「ひまり、今日から新学期なんでしょ!起きなさーい!」


ポカポカ、あたたかい日差しにまどろむわたしに、

無遠慮に布団を引っぺがした母。





のそのそと起きると、頬をつねられた。


「いひゃい」

「すみれはもう家出たわよ、お姉ちゃんなんだからしっかりしなさい」




すみれとは、実の妹だ。

中学3年生にして化粧っ気があり、最近できた彼氏に

うかれている。






起こしてくれた母は部屋を出て、父を起こしに行く。

もうこれはデフォだ。日課。







歯を磨いて顔も洗ってリビングに行くと、眠そうな父と挨拶を交わす。



「かーさん、目玉焼きはマヨネーズだと言って…ぐぅ」




いつも通り食べながら寝る神技を披露する父を横目に

朝食を食べ終わり、そのままスクールバッグを手にする。



「行ってきまーす」

「行ってらっしゃ……あんた、パジャマのままじゃない!早く着替えてこい!」





< 1 / 20 >

この作品をシェア

pagetop