太陽に愛された向日葵





翌日。




秋ちゃんに、神野さんが載ってる雑誌を見せてもらったのだけど。




衝撃を受けた。











「誰、これ」

「誰って…昨日見かけなかった?神野さん。休みだったのかな」




いや、居たよ。

担当してくれたもん。






わたしが目を丸くしているのは、誌面での神野さんの表情、それとキャッチコピーだ。






「“無口なコールドプリンス、神野太陽”…」



そのキャッチコピーと共に、施術中の彼の姿が

写っている。





あんなに表情豊かだった神野さん。

ニコニコ愛想よく笑って、可愛いだの癒されただのと

リップサービスまでしてくれてた神野さん。



わたしの昨日見た人とは、似ても似つかない人が

そこには居た。


まるで表情の色がない。ただのポーカーフェイスのイケメンだ。





別人なんじゃないかと疑うくらい信じられない。


絶句していると、隣からうっとりする声が聞こえて。







「あー、格好いいよね。神野さん。1度でいいから髪の毛触ってもらいたいなー」


「ね、ねぇ秋ちゃん。この人って本当に冷たい人なの?」


「うん。わたし何回もARIES行って神野さん見るけど、あの人がお客さんに喋りかけたり笑いかけたりするところ見たことないよ。愛想ないのに人気なんだから、すごいよね」







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