太陽に愛された向日葵
「ねぇ、秋ちゃん」
「ん?どした」
放課後。
一緒に駅までの道を歩いている。
桜が舞う並木道。
秋ちゃんの肩に乗った桜の花びらを取ると、にこりと笑ってお礼を言われる。
愛想がいいって、こういうことだよね。
「わたしってさ、性格キツイ…?」
いきなりぶっこむと、秋ちゃんは目を丸くして驚いてみせた。
「いきなり!どうしたの?!誰かに何か言われた?」
「うん…今日さ、サッカー部の男子に言われたんだ」
秋ちゃんを悲しませないようにと笑って言っても、案の定彼女の顔が曇る。
「ひまり、わたしね…まだひまりと出会って1年くらいじゃんか?性格がキツかったら一緒にいないよ。わたしは、ひまりが可愛くて天然でめちゃめちゃ良い子だって知ってるから。見た目で判断するようなクソは気にしなくていいよ」
真っ直ぐの瞳に見つめられて、思わず笑みがこぼれた。
「あはは、ありがとう秋ちゃん。気にしてないから大丈夫」
「ふふ、なんか恥ずかしいね」
モヤモヤも軽くなって、それから笑いながら駅まで歩いた。
ちなみに秋ちゃんとは高校の最寄駅は同じだけど、家方向は真逆で。
いつもホームでバイバイする。
今日もホームで別れ、電車に乗り込む。