太陽に愛された向日葵
白い彼との再会
翌日。
あくびを嚙みころしながら教室に入ると、わたしに気がついた秋ちゃんが駆け寄ってきた。
「ひまり、おはよう」
「ん、秋ちゃんおはよう」
今日も秋ちゃんは可愛いなぁ。
なんて勝手に癒されていると、なんと秋ちゃんは突拍子も無いことを言い出す。
「ひまり、わたし信じてないから確認なんだけど…小鳥遊くんと付き合ってないよね?」
はい?
目をパチクリ瞬かせると、やっぱりデマだよなと呟いた。
え、いや、だって。
「小鳥遊くん彼女いるじゃん。可愛いマネージャーの」
「いやその彼女がさ、ひまりと浮気してるって騒いでるらしいんだ」
えー。
嫌だなもう。面倒くさい。
はぁとため息をついてみせると、心配そうに秋ちゃんがわたしの顔を覗き込む。
「いやさ、新学期始まってからいきなり小鳥遊くんから結構話しかけられたりはしたけど、わたし彼の連絡先すら知らないし。恋愛とか興味ないし」
「え、そうなの?小鳥遊くんチャラいな〜。まぁひまりが恋愛恋愛ってウキウキしてたらそれはそれで面白いわ」
ケラケラと呑気に笑う秋ちゃん。
心配してるのか面白がってるのかどっちなんだ。
「大丈夫だよ。小鳥遊くんの彼女がただ騒いでるだけだし、放っておこ。こっちは怯える必要無いよ」
堂々と言い切った秋ちゃんは、自分の席に戻って行った。
頼もしいな。そうだよね。わたし悪い事してないし。
わたしも肩に掛けてたバッグを机の横に掛けて着席した。