太陽に愛された向日葵
「はじめまして、神野太陽といいます。本日は僕が志麻さんを担当させていただきます」
あれれ。
渡されたおしゃれな名刺には、神野太陽と名前が。
そして、ニコニコと愛想の良いイケメンがわたしと鏡越しで目が合う。
4ヶ月待ちで忙しいからまさかわたしを担当してくれるとは思ってなかった。
けど今日キャンセルが出た、って言ってたし神野さんの
お客さんのキャンセルってことなのか。
納得して再び彼を見つめる。
背が高くて手足も長く、モデルみたいな体型に
ふんわりパーマのような茶髪。
端正な顔立ちで目の下の涙ホクロが印象的だ。
こんな男の人が身近にいたらそらファンになるわな。
4ヶ月待ちなのも頷ける。
「志麻さん、今日はカットでいいんですよね?どんな感じになりたいとかありますか?」
「あー、特にないのでお任せします」
「でも髪すごい綺麗に伸びてますし、切るのもったいない」
そう言って神野さんはわたしの髪を軽く撫でた。