太陽に愛された向日葵
なんだか、すごく見られてる気がする。
お客さんにも、スタイリストさんにも。
居心地悪いなぁ。
神野さんは、うーんと考えた素振りを見せる。
お任せなんて言ったからかな、なんてちょっと申し訳なくなって。
「鎖骨あたりまで、切ってください」
「えっ、あぁ、はい。わかりました」
笑ってそう言えば、一瞬困惑した表情をみせたものの、すぐにニコッと笑ってくれた。
「じゃあ最初にシャンプーしちゃうね。こちらへどうぞ」
案内されたのは、施術スペースとは仕切りがある
小さな部屋みたいなところ。
ドアがないので密閉感はなく、でも薄暗くて雰囲気がある。
いい匂いのするそこは、シャンプー台が3台並んでいて、
わたしは1番奥のソファに座るよう促された。