幸せに・・・なりたい。

**今夜がやま


史人は、
「父さん、どんな状態?」
「わからない。
綾の話だと
手首をざっくりやっていると
切ってかなり時間が経っているみたいだ。
だが史人、全力であたってくれ
必ず、助けて欲しい。」
と、崇は言った。

あまりにも、切羽つまっていたから
「父さんの知り合い?
   うん?今、綾って?」
と、言っていると
救急車からストレッチャが
運ばれてきた。

救急隊員から様子を聞く
「名前は?」
「はい、高木先生から
水樹 愛浬亜さん、18歳と
伺っています。」
「えっ、愛浬亜?」
と、父さんの方を向くと
父さんは頷いた。

俺は、手術室に運び込み
レンドゲンの指示などだして
準備をした。

親父も入ってきた。

二人は、無言で準備をして
愛浬亜のレントゲンを確認して
麻酔をして輸血の準備をした。

愛浬亜の傷口は、かなり深く
神経も切断していた。

今にも止まりそうな心臓に
「持ってくれ」
と、祈りながら
切断された、神経を繋ぎ
筋肉を縫い合わせ縫合をした。

輸血もかなりした。

今夜が、やまだろう。

俺も親父も、
「「どうか、頑張ってくれ!!」」
と、祈るしかなかった。

愛浬亜は、ICUに運ばれて
容態をみることに。

ICUの前には、母さん、茜、綾が
来ていた。

父さんは、綾に
「綾、ありがとう。
愛浬亜を見つけてくれて。」
と、言った。
「いえ、一度目に行った時に
いたかも知れないのに!
気づかなかった。」
と、あの冷静な綾が
とりみだしていた。

すると、茜が
「いえ、直ぐには、いかなかったはず。
愛浬亜が、両親のお墓に
手ぶらで行くことは絶対ないから。」
と、言うと
美沙も、
「茜の言う通りだわ。」
と、言った。
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