幸せに・・・なりたい。
**戻ってこい
「綾、ありがとう。
きっと大丈夫だよ。
それに大悟と久美が
愛浬亜を簡単に受け入れるはずがない。
近くにいっても、追い返すよ。
あのときのように。」
と、崇は言った。
各々が、考えながら
愛浬亜のICUの前から
動けずにいた。
しばらくすると
綾は、みんなに飲み物を買いに
立ち上がった。
飲み物を買いに
自販機の前に立たすんでいると
「なぁ綾。
愛浬亜は、俺が追い詰めたんだな。
お前に、無闇に近づかないように
言われていたのに。
俺は、愛浬亜が俺じゃなくて
お前になついているのが
悔しかった。
綾が、出来るなら
俺も‥‥と、思っていたんだ。」
後から来た史人が言った
「彼女は、決して
史人が怖いと言ったわけじゃないんだ。
ただ、学校のことなどで精神的にも
追い詰められていたんだ。
俺が、もっと気遣うべきだったんだ。」
と、辛そうに話す綾に
「綾。
お前‥‥‥愛浬亜に
特別な感情があるんだな?」
と、史人に言われて
「ああ。
愛浬亜の事が気になる。
愛浬亜のそばにいたい。
愛浬亜を護りたい。
そう、思っている。」
と、言いながら
「でも、無理強いはしない。
愛浬亜を怖がらせたくないから。」
と、つけ加えた。
「そう·····か。」
と、史人は言って
買った飲み物を半分持ち
ICUの待合室に戻った。
だが、五人の願いも虚しく
愛浬亜は、目を覚ますことはなく
一進一退で命の灯火は
消えかけていた。
それから三日後に
愛浬亜の命は持ち越し
意識は、戻ってないから
心配ではあるが
血圧等が落ち着いて来たので
崇は、愛浬亜を個室に移した。
愛浬亜には
昼は、美沙が。
夜は、綾が。
休みの日は、茜が付いた。
綾は、
「愛浬亜の側に
ずっと、ついていたいのですが。」
と、言ったが、
崇は、
「綾、気持ちはわかるが
無理なく行けばいい」
と、言った。
綾は、夜は愛浬亜に話しかけ
手を繋いで寝た。
「愛浬亜、戻ってこい。
俺のそばにいて。
俺を置いて行かないで。」
と、自分の感覚も忘れられないように
必ず手を繋いでいた。