幸せに・・・なりたい。

**なぜ、生きてるの


愛浬亜は
二ヶ月を過ぎても···
五ヶ月たっても······
目を覚ますことはなかった。

高校の方からは
愛浬亜の状態と成績を考慮して、
「今の状態が続いたとしても
卒業はさせたい。」
と、言って貰えた。

綾は、と言うと······
相変わらず愛浬亜の側にいる。

愛浬亜は、点滴からの
栄養だけで痩せてしまった。

綾は、天気が良いと
愛浬亜を抱き上げて
窓辺に立ち
日光浴をしながら、
今日あった出来事を話しかけたり
していた。

崇も、美沙、茜も
綾の献身な看護には感心していた。

史人は、目が覚めたように
仕事は、精力的にこなして
手がすくと
愛浬亜の部屋を覗いて
綾や家族に差し入れをしていた。

みんな、自分の出きることを
考えてやっていた。


茜の卒業式の日
崇と美沙は学校へと行き。

綾は、愛浬亜に花束を買って
病室に置いた。
「愛浬亜。
高校卒業 おめでとう。

この先、なにがやりたいのかな
やはり、フラワーデザイナーに
なるのかな」
と、話しながら
手を握っていた。

すると、愛浬亜の指先が
ピク····ピク····と···
「愛浬亜!!水樹 愛浬亜さん?」
と、声をかけると

愛浬亜の目頭は、痙攣をしながら
少しずつ開き
「愛浬亜ちゃん!愛浬亜ちゃん!」
と、綾が呼ぶ中
「‥‥‥な····ぜっ‥‥
     ‥‥生き‥‥てる‥‥の?」
と、愛浬亜の眼から涙が流れ落ちた。

綾は····唖然····として·······

自分が、助けたことは、
愛浬亜には、負担だったのだろうか·····
と、考えている間に

愛浬亜は、再び眼を閉じた。
< 26 / 70 >

この作品をシェア

pagetop