幸せに・・・なりたい。
**愛浬亜 共鳴できない
大好きな、崇おじさん、美沙おばちゃん
茜に迷惑かけていることが
たまらなく嫌だった。
茜のお兄ちゃんである
史人さんを怖いのも辛かった。
学校では、
化け物みたいな目で見られたり
哀れみの目で見られたり
先生達からも、お荷物みたいに
見られ‥‥‥
疲れていた。
そんな緊張の中、また倒れて
気づいたら、史人さんと
茜達が、言い合っていて
私さえ、いなければ
西森家が、もめる事もない
と、思った。
だから、お父さん、お母さんの
元へいきたかった。
ただ、なぜだか、
手首を切ったとき
高木先生の顔が····
もう一度見たかったなぁ
と、思った。
とても、不思議な感覚
でも、これで、楽になれる。
みんなも嫌な思いをしなくて
すむと思ったのに
暗い‥‥暗い‥····
回りの‥中・・・
声が‥‥聞こえて‥きた‥‥
「愛浬亜、なぜ、きた?
なぜ、自分から死を望む。
愛浬亜は、自分のために
幸せな人生を歩きなさい。
今、愛浬亜が死んだら
崇や美沙、茜、史人は、
一生、深い傷を持つことに
なるんだ。
だから、みんなの為にも
頑張るんだ。
それに、愛浬亜をとても
大切に思ってくれている人が
愛浬亜のそばにいるよ」と。
パパっ‥‥パパの声が···聞こえた。
横には·····ママの笑顔が····浮かんだ。
その後も
ずっと暗い道を歩いて行く····と
優しい声が······
話しかけてくる·······
この···声······聞いたことのある·····
温かい······手だ··っ····
この手も······知って····いる········
これは······茜じゃなくて·····
‥‥ああ‥‥‥‥高木先生だ。
目を覚ましたくないのに
もう、生きていたくないのに
身体が·····頭が······高木先生の
顔を見たがっていた。
でも、心がうまく共鳴できずに
誰とも、会話する勇気がなかった。