幸せに・・・なりたい。

**無念だったろう


皆が、帰り
愛浬亜は、母さんの片付けを
手伝っていた。
家政婦さんはいるが
二人は、話しながら楽しそうにしていた。

綾は、
「もう、問題ないの?」
と、綾太郎に言った。
「ああ、あんなに痛かったのが
嘘のようだ。」
と、言うから
「むちゃ、しすぎなんだよ。
痛み止めで、我慢するとか」
「ああ、だが、もう任期も終わるから
後少しの我慢だと
と思っていたんだ。」
と、言うから
綾は、あきれて
「大事にならなかったから
良かったけど、もう年なんだから
むちゃ、しないでよ。」
と、言うと
「ああ、ありがとう。」
と、言って
「なあ、綾。
良い嫁をもらったな。
あの娘良い。
活けた花が、生き生きしている
辛い、経験をしているのに
慈しみ方が、素晴らしい。」
と、言うから
「愛浬亜のお母さんも
フラワーデザイナーだったんだ。
男性恐怖症を克服できなくて
西森家に迷惑かけていることに
心を痛めて、
死を選んだんだこともあった。

あと、数分でも遅かったら
今、いなかっただろう。
でも、俺は愛浬亜に
辛い思いだけで、いかせたくない
俺の手で、幸せしてやりたくて

お父さん達の所に行かせなかったことで
どんなに愛浬亜に恨まれても
助けたかったんだ。

だが、意識を戻しても
生きる意思がなくて
食べない、話さない日々に
どうやったら、愛浬亜を元気に
出来るのか、色んな事を考えたよ。

まだまだ、完全ではないけど
上手く付き合っているようだよ。
男性恐怖症と。
まあ、俺的には、愛浬亜に
他の男が、近づかないから
良いけどね。」
と、言うと
「そうか、愛浬亜のご両親も
さぞ、無念だったろう。
あんな可愛い子を置いていかないと
いけなくて。」
と、親父が言うと

すすり泣く声がして
振り向くと、愛浬亜と母さんが
入り口にいた。
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