Last Letter~手紙がくれた想い~





それから俺たちは緊張が解けたせいか、
ものすごいテンションの高さで学祭を楽しんだ。


途中、廊下で女子たちが何かを言っていた気がするし

声もかけられた。



『ヒツゼン…好きです!』


とか、


『初恋、すごくよかったです!!』


とか、そんなことを言ってくれた。


その度に俺たち4人は顔を見合わせてニヤける。

頬を引き締めようと思っても、綻んでしまう。


正直、始めたころはこんな風になるだなんて思ってもみなかった。



ちょっとの好奇心で始めたこのバンド。


たまたまドラムができる雅輝が同じクラスで

たまたま俺が惚れ込むような歌声の主が雅輝で

たまたまベースができる弘斗がいて


そして、バンドを組んだ。


で、興味本位で書いた詩が意外にウケてて自分でも驚いている。


悠香…お前にも聞かせたかった。

きっと今ごろお前は俺の手紙を読んでるんだろうな。


ごめんな、返事遅れて。

得意教科の数学の授業にこっそり手紙を書いたんだ。


本当は学祭が終わってから返事、書こうと思った。


でもそれまで我慢できなかったんだ。



自分でも思うよ。



らしくねぇ…って。




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