Last Letter~手紙がくれた想い~
「香織の好きなヤツって、お前なの、大樹。
だから俺はすっげぇお前にムカついてる。
なんで昔っから隣にいる俺じゃなくて、
高校で偶然出逢ったお前なんかに香織を取られなくちゃいけねぇんだよ?!」
壁に体重を預けている俺の胸ぐらを弘斗はまた掴んだ。
そしてまた殴ろうとした。
抵抗すればできたかもしれない。
でも俺は抵抗しなかった。
ただの八つ当たりだ、ってことも十分分かったうえで俺は何もしなかった。
「………意味分かんねぇんだよ!
なんで抵抗しねぇんだよ!
俺が八つ当たりしてることだって分かってんだろ?!
なのになんで、やり返してこねぇんだよ?!」
弘斗が怒鳴り散らす。
3年間一緒にいたが、弘斗のこんな姿は見たことなかった。
『もうやめてよ!弘斗!!』