Last Letter~手紙がくれた想い~
「俺、恋愛経験なんてまったくない。
だから俺なんかに言われても…って思うかもしれない。
だけど、聞いて。
俺、お前の辛いときそばにいたよな?
じゃあ聞く。
お前が楽しいとき、誰がそばにいた??」
村瀬の声は聞こえなかったけど、口が
『弘斗』
と、動いていたのが分かった。
「普通さ、楽しいときにそばにいてくれたヤツが本命なんじゃねぇの?
俺じゃねぇんだよ、弘斗…弘斗なんだよ。
辛いとき、お前の話はいくらでも聞いてやる。
俺でよかったら聞く。
だけど、それは違うんじゃねぇの?
うまく言葉では言えないけど、きっとお前の心の中には俺だけがいるんじゃない。
弘斗もいるんだろ?
それはきっと、俺なんかへのキモチより大切に大切に仕舞ってある、
大事なお前の本当のキモチなんじゃねぇの??」
俺が言い終わると同時に村瀬は走り出して。
きっと、弘斗のもとへ向かったんだ。
どうか…あの2人がうまく行きますように。
俺はひたすら心の中で祈っていた。