Last Letter~手紙がくれた想い~
「休憩!もう休憩しよーぜ…」
練習を始めて数分。
まったく練習に身がはいらない俺ら。
「だな」
まあ練習に身が入らないのは仕方ない。
だってベースがいねぇんもん。
いや、弘斗がいないのが問題なんだ。
あのバカ明るいムードメーカーの弘斗がいないから。
「あの髪の色…弘斗らしくねぇよな」
「ピアスだって全然似合ってねぇ」
俊と雅輝が呟く。
今の弘斗は最悪だ。
髪の毛はほぼ金髪
耳には何個ものピアス穴が空いていて。
そして毎日何人もの女と遊んでいる。
で、俺らと関わろうとしない。
今日のバンドの練習だって弘斗には言っておいたはずなのに、
あいつはベースを持って登校しなかった。
そのかわりに知らない女の子と登校。
きっと、あの日が原因だな。