Last Letter~手紙がくれた想い~
『俺の好きなヤツは村瀬じゃない。
お前も村瀬も知らないヤツなんだ。』
弘斗は俺の言葉を聞いて大きな溜め息をもらした。
『俺…何やってんだろ…』
小さな声でそう呟いた弘斗は乱暴にピアスをはずした。
『俺、香織にフラれて自棄になって学祭に来てた大学生の人、ナンパした。
そのあと、その人抱いて。
大学生の人を抱きながら考えてるのは香織のことだった。
自分でも分かってた。
最悪なことしてることくらい。
でもこうでもしてないと俺、泣きそうで。
まあ実際、泣いちゃったけど。
次の日には髪の毛染めて、ピアス穴開けて。
前から俺に言い寄ってきてた女、みんな抱いて。
たまに街に出てナンパしてみたり。
たださ、抱いてるときに1度も相手のこと考えたことないんだよ。
頭の中には香織しかいなくて。
バカだよな…俺。
香織の評価、ドンドン下げて。
今、俺ドン底だわ』
弘斗の笑い声と溜め息が交じる。
ドン底…??
それはちょっと違うんじゃねぇの?