Last Letter~手紙がくれた想い~






『俺の好きなヤツは村瀬じゃない。

お前も村瀬も知らないヤツなんだ。』


弘斗は俺の言葉を聞いて大きな溜め息をもらした。




『俺…何やってんだろ…』


小さな声でそう呟いた弘斗は乱暴にピアスをはずした。




『俺、香織にフラれて自棄になって学祭に来てた大学生の人、ナンパした。

そのあと、その人抱いて。


大学生の人を抱きながら考えてるのは香織のことだった。

自分でも分かってた。
最悪なことしてることくらい。

でもこうでもしてないと俺、泣きそうで。

まあ実際、泣いちゃったけど。


次の日には髪の毛染めて、ピアス穴開けて。

前から俺に言い寄ってきてた女、みんな抱いて。


たまに街に出てナンパしてみたり。


たださ、抱いてるときに1度も相手のこと考えたことないんだよ。

頭の中には香織しかいなくて。



バカだよな…俺。

香織の評価、ドンドン下げて。


今、俺ドン底だわ』


弘斗の笑い声と溜め息が交じる。


ドン底…??


それはちょっと違うんじゃねぇの?






< 125 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop