Last Letter~手紙がくれた想い~
『お前、妄想に浸りすぎじゃね?
村瀬…お前のこと心配してた。
口には出さなかったけど、きっと今もお前のこと考えてると思う。
それに俊や雅輝だって弘斗のこと心配してる。
あんなの弘斗じゃねぇ、って言ってた。
俺だってお前のこと心配だった。
無理してんじゃねぇかな、って。
無理して髪の毛染めてみたり
ピアス穴開けてみたり
いろんな女と寝てみたり。
全部、村瀬のこと忘れようとして無理してんじゃねぇかな、って思ってた。
みんな…お前が心配だったんだよ。
誰1人、お前を見捨てたヤツなんていなかった。
なのに何がドン底だよ…バカ
お前には村瀬だって俺らだっているだろ?
ドン底とか勝手に悲劇のヒロイン気取ってんなよ』
俺は弘斗の肩にパンチをくらわす。
『香織も…俊も…雅輝も…大樹も。
みんな…俺のこと、好きなんだな』
フッと笑った弘斗の顔を見ると悪戯っ子のように笑っていて。
そんな弘斗を真っ赤な夕日が照らしていた。
次の日
弘斗の髪の毛は黒に戻っていて
耳にピアスはなかった。
これで一件落着か。